2010/12/22

退社からもうすぐ3カ月。

 無職になって札幌で主夫生活を始めてもうすぐ3カ月。
 13年半「日経さん」として生きてきたため、肩書きがなくなったら誰からも相手にされないことを想定していたのだが、ありがたいことに今のところ順調にいろんな人に会えている。

 もともと僕は、会社に所属しない生き方を望んできた。昔話をすれば小学校の文集か何かで「将来なりたい職業」欄に「自由業」と書いた記憶がある。大学時代は、卒業後すぐにフリーライターになろうと思っていた。

 ただ、人脈も実績もない自分がライターを名乗っても、せいぜい誰も読んでないマイナー媒体に都合よく使われて歳だけ取って、30代半ばぐらいであきらめて生活のために不本意な職につき、「オレも若いころはなあ」などと愚痴をたれる痛い親父になりそうな予感もした。
 ライターになりたい大学生は掃いて捨てるほどいるし、その中で僕が特に優秀だったりはしないからだ。

 だから、社会人の最初の一歩として会社員ライターになることを目指した。運良く知名度の高い新聞社に就職できて、ある意味で計画通りに退社したというわけだ。
 よく、入社1、2年程度で大した仕事もしてないまま退社して「元○○新聞記者」を売りにしているライターがいるけどそういうの寒いし、さまざまな矛盾・ストレスを感じながら組織で働き続けるのも重要な経験だから、10年以上辞めなかった。

 今のところ、当時の考えは間違っていなかったと思っている。
 これまでの日経の仕事を通してできた人のつながりが確かにあるし、コミュニケーションの方法や、情報の扱い方に関してはそれなりに身につけたものがあって、それは僕が「日経さん」でなくなってもすぐに消えたりしないものだからだ。

 「会社辞めてもあまり暇じゃないな」。これがこの3カ月の感想だ。そもそも目的があって退社したので、勉強を中心にやりたいことがたくさんあって、家事・育児も自分の仕事だし、人に会えばそこから用事が発生したりもする。

 日経記者生活も毎日知らないこととの遭遇で楽しかったが、辞めたら辞めたで、これまで関わる機会のなかった面白そうなことに出会う。ノンビリはしていられない。