2010/06/27

「大国」マガダンの手招き

 「マガダン州」の名を聞いたことあるだろうか。
 東京都心部から仙台市の方向を向いて、そのまま2800キロほど進むと州都のマガダン市に到着。ロシアを構成する一地域だ。

 2010年6月、州政府の人たちと、マガダンの会社経営者たちが東京にやってきた。そして、ロシア大使館で日本企業向けに「わが地域に投資してね」とプレゼンした。

 「金や銀がたーくさん採れます、石油もガスもあります、レアメタルも豊富です、観光向けの自然もいっぱいです、ビジネスしませんか日本企業の皆さん、税金も負けときますよ」というプレゼンだった。

 めっさ第1次産業なのである。
 プロジェクターに映し出された野外の映像の中で、作業着の中高年男性が、木製の道具で砂金みたいなのを触っとるではないか。シーンが変わっても、舞台は岩場やら土砂やら川やら、自然の中。資源の州なのだ。

 プレゼンを聞きに来てた100人弱の日本人(日本人風の人)、半分近くは通訳イヤホンをつけていなかった。おそらく玄人の皆さんばかりで、資源国ロシアの地方政府のプレゼンとくりゃ第1次産業だと、誰もが承知の上で来てたのだろうと思う。だが僕的には新鮮だった。

 僕は第3次産業の従事者で、ふだんお付き合いのある企業や、これまで付き合いのあった企業の殆どが第3次産業だ。ネット系なんてその最たるもの。いかに汗水垂らさずに儲けるかを考えている。
 資源系といった初期投資のかかるビジネスを、心のどこかで見下している人たちが多い業界だ。

 ああ、海の向こうにこんな世界があったのだなあ、などと一瞬さわやかな気持ちになった。このプレゼンが彼らにとって成功だったかどうかは別だけども。

 今のところ、外国からの投資額は1億1500万ドル(約100億円)とのこと。主な投資国は米国、カナダ、ドイツ、英国、中国、韓国などだそうだ。日本から今後、投資する企業出てくるかなあ...

 ちなみに、マガダン州はめちゃくちゃ広い。日本全体の面積を、この州だけで2割強上回っちゃうのだ。数字で言うと46万2000平方キロメートルもある。
 ここに何人住んでると思う? 答えは、16万人です。

(Магаданская область)
 

1 comment:

  1. こんばんは。吉村さんのペンタッチはいいですね。読むと、楽しいです。
     ただ、マガダンといえば、ロシア人にとっては「ラゲリ」つまり「監獄・島流し」になります。今でも、刑務所が多いです。人口の少なさのわけも人間が住み着くのにあまりにも厳しい気候・・・
     また、外国の投資の生態はほぼ投機マネーといわれております。日系企業が投資しないのは正解だと思います。
    チンギスより

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