2011/03/28
我が内なるアルカトラズ
昨夜、友達の紹介で、ある本の著者と東京でお会いした。酒を飲みながら、いくつかの有益なアドバイスをいただいた。
超有意義な飲み会を終え、いい気分で安ホテルに1人戻る途中、襲われたのである。
大腸に潜伏していた、我が内なる暴漢たちであった。たっぷりの水分を武器に奇襲をかけてきたのである。
下っ腹で何かがギューとよじれたのが、彼らの宣戦布告だった。実際に音が「キュウ」と鳴った気がしたがよく覚えていない。
彼らの目的は、脱獄だ。アルカトラズ島からの脱出である。迎え撃つ側としては、封じ込めが至上命題である。ロックアウトされたキャンパスというか、鎖国というか、呼び方にはこだわらない。
あわててはならぬ。乱時ほどそうだ。
見事な急襲により、例えるならまずは牢屋のカギが壊されたようだが、まだ廊下を制圧されたわけではない。そして、その先にある建物の出入り口には達していない。仮に建物を突破したとしても、娑婆(しゃば)への出口には門兵が控えているのである。そこに至るまでには若干の時間があろう。
宣戦布告を受けた場所はJR駅で、ホテルはここから徒歩約10分。微妙だが、おそらく間に合う。いや、間に合わせなければならないのである。
落ち着いて腹の中のよじれをなだめつつ、歩いた。ところが2分ほどで、腸内で手榴弾が炸裂した。いま体を動かすとダメージが広がり、一気に門まで詰め寄られかねない。
足を前に出せない。止まるしかない。
手榴弾は次々に投げ込まれる。酔っぱらってテンションが上がっていることもあり、「おおおおおおっ」と声を出した。負けないぞ、という意思表示でもある。
道行く人がこっちを振り返ったようにも思えたのだが、よく覚えていない。
あっけなく廊下が制圧されたことを理解した。残された時間は思ったより短い。
と、ここで、すっと彼らの攻撃が止んだ。
チャンスである。足早にホテルに向かう。
意外なほど、そこからしばらく小康状態が続いたのである。ホテルとの距離は順調に縮まっていく。もうすぐだ。この様子なら大丈夫そう。余裕を見せつけてコンビニに寄ってやろうか。と、コンビニの扉に手をかけた瞬間であった。
ヒュー、という短い音が腹の中で鳴り、腸内で大規模土砂崩れが起こった。目の前が白くなった。ぴたりと手を止めた。「んんんんんんんんんっ」とうなった。
例えるなら、建物を出入り口も含めて攻略され、暴漢が大挙して敷地内に飛び出してきた感じだ。非常警報がけたたましく鳴り、我が門を守る、門兵に緊張感が走る。
実際に数人が門兵に殴りかかってきた。門兵は痛みに耐えて固く門を閉めている。もはや最後の砦である。
暴漢も態勢を整えようと思ったのか、少し攻撃の手をゆるめた。
今を逃すと最悪の事態が起こる。ほとんど小走りで、ホテルに駆け込んだ。
脂汗を流しながら部屋の前までたどりつき、カギを開けようとしたとき、暴漢が総攻撃に入った。全員固まって、娑婆への門に突撃してきたのである。門を支えながら苦悶する門兵。それはまさに最終決戦、クライマックスであった。
カチャッという音とともに部屋のドアを開け、すぐさまトイレに座りこんだ。そして門兵に撤退を命じた。
滝。
その音は、暴漢の勝利宣言にも聞こえた。
たっぷり3分ほどかけて、暴漢は娑婆に出た。
しかし彼らに娑婆の空気を味わう時間はほとんどなかった。数秒後、一瞬で下水管に追いやられたからである。
まったく戦いとは、非情なものである。
2011/03/26
ネット媒体立ち上げ1カ月、ぐらいかも
日露ビジネスジャーナルの開始から、だいたい1カ月である。
2月25日に初公開したのだが、2月の日にちが少なくて正確にはまだ丸1カ月たっていないので、3月25日を持って「わーい1カ月」と騒いでしまうとハッタリ君になってしまう感じがして、このあたりは曖昧でいいかなと思う。
開始2週間で東日本大震災が起こったため、サイトのアクセスデータは参考にならない。アクセスが想定より多すぎた。震災がらみで1本、ケタ違いに閲覧(=PV)を集めた記事があり、ほとんど異常値になっているのである。
詳しくは日露ビジネスジャーナルにて31日(予定)の記事更新で書くのでお楽しみに。
ヒントを言うと、人物モノの記事だ。実は単なる「いい話」ではなくてビジネスチャンスの要素を含んでて、事実この人物の活動に目をつけてアプローチをしている企業がすでにあるのだが、まだ書ける段階ではない。
まあ、これ以上はブログではよそう。
当たり前だがやっぱりそうだなあと思うのが、読み手は人それぞれで、皆言うことが違うってことだ。
ある人から「なんだビジネスの話ばっかりじゃないか」と言われ相手にしてもらえなかったと思えば、また別の人からは「サイトのどこにもビジネスがないじゃないか」と苦言を呈された。
どちらも意地悪を言っているのではなく、率直にそう思っているようだ。同じものを見ても、人の感じることはさまざまである。
僕としてはもっとビジネス色を強めていきたい。時間はかなりかかるが、提供できる情報の質・量ともに何段階も上げていくつもりだ。
単にPVを稼ぎたいだけなら、手をつけるべきことがいくつもある。
・スポーツネタを書く
・北方領土問題を書く
・クレムリン話を中心に、いわゆる国際ニュースを書く
・見出しに「中国」の文字を入れられる記事を書く
どれも必要なことだ。だけど、これらを最優先にはしない。これらはマスコミや、広告目的のサイトがやればいい話なのだ。
日露ビジネスジャーナルは当面、日本での対ロシアビジネスや、交流の現場にいる人の姿、その声を伝えるメディアになりたいと思っている。その上で、役に立つデータや、ちょっとした話のネタにできるような面白い話題を載せていきたい。たった今そうなっていないかもしれないが、少なくとも今、そっちを向いて走っているところだとは言える。
もちろん、まだやりたいことの1割もできていない段階だ。まずは実験期間のあと2カ月でどこまでやれるか。力まず、焦らず、でも緩まず、てことで、できることをしっかりやっていきたい。
ところで、お声かけをいただいているにもかかわらず、収入を伴うライター仕事が全然できておらず申し訳ありません。もう態勢整いますので....
2011/03/16
猫の所在
おとといの出来事である。
そう、ホワイトデーであった。
たまたまこの日の午後、用事があって1人で札幌市中心街に来た。妻に、なんらかの糖分を買って帰らねば家庭内に暗雲がたれこめること確実である。
札幌・地下鉄大通駅の手前にある百貨店、丸井今井の地下に立ち寄った。
とたんに、赤だの黄だの銀だの、見慣れない色が視界に飛び込んでくる。チョコレート菓子の試食を呼びかける女性販売員の声が響き、大学生風から高齢者まで、そこかしこで男たちが包装箱を抱えているではないか。
もちろん東北関東の大震災で祝い事を自粛するムードはあるが、札幌は直接の影響は少ない。やはり商戦の熱気はあった。
和・洋の菓子が並ぶフロアを歩きながら、すぐに自分の出遅れを悟った。どのコーナーを攻めるのか考えていなかったのだ。作戦なしに戦場に飛び込んでしまったのだ。
クッキーか、チョコか、クリーム系か。変化球で和菓子という選択肢もあろう。獲物を決めずに狩りに来たようなものだ。
ふと左側を見ると、青とも緑ともつかない外装ビニールに包まれた、4センチ四方ぐらいのクッキーが並んでいる。クッキーの中にはチョコレートが薄く挟まれている。いいかもしれない。
だが、外装に記されたマークに見覚えがある。「白い恋人」だった。家庭不和の原因になりかねない。
眉間にしわを寄せながら人混みをかき分け、フロアをぐるぐる偵察して1分ほどたったとき、陳列用冷蔵ケース内に可愛らしい猫のデコレーションケーキを発見した。猫である。にらみつけたが反応がない。
ケーキの猫の横にはこれまた漫画チックなネズミ型ケーキだとか、城っぽいのとか、まあメルヘンチックな空間がそこにあった。猫型は残り1個だけなのに対し、ほかは何個も並んでいる、どうやら猫は人気商品らしい。
賑わいの中、冷蔵ケースの前を3歩進んで3歩下がる感じで、相変わらず視線を合わせようとしないケーキの猫を威嚇しながら、考えた。そして決心した。
猫とネズミと1個ずつ買おう。「トムとジェリー」的なノリでいいんじゃないの?
胸の高鳴りを抑え、ついに左足を踏み込み、ケースの後ろに立つ女性販売員との距離を一気に詰めんとする自分。
ふいに、右斜め後ろにいた中年女性が「すみません」と声をかけてきた。こんなときに何だろう。
なぜだか、カウンター越しに女性販売員が「はーい」と返事をするのである。その返事に合わせて、中年女性が「その猫のケーキ1つください」と言った。販売員が「はい、猫のを1つですねえ」と返した。スムーズなやりとりであった。
振り返ると、中年女性はにっこりしていた。ただ、その笑顔はこちらではなく、まっすぐ猫に向けられていた。
踏み込んでいた左足を何事もなかったかのように戻し、数秒立ちつくした。このメルヘンワールドの中で、圧倒的に猫の存在感が際だっていたのだ。ネズミ2匹で妥協するか。ネズミと城では意味がわからない。
しかし人生には、考えていても始まらないこともある。まず人に聞き、情報収集してから考える方が有効なこともある。
猫をケース裏側から取り出そうとしている販売員を横目に、赤いメガネをかけた別の女性販売員に思い切って聞いてみた。
「猫、もういなくなっちゃった? 奥にいたりしません?」
きょとんとした赤メガネは冷蔵ケースに視線を移して、瞬間的に苦々しそうな表情を浮かべてから笑顔に戻り、
「見て参りますので~」
と下がっていった。
右横では、あの猫が着々と箱に詰められていく。中年女性は財布を握りしめ、ワクワク顔で待っている。
すぐに赤メガネが戻ってきて言った。
「ご用意ございますぅ。何個にしましょうか」
聞いたかいがあったというものだ。
「1匹。ネズミも1匹ね」
帰宅し、夜、妻に2つのケーキを見せた。
もちろん店での話はしていない。好きな方を食べてくれと言ったら、妻は「かわいいー」と言ってネズミのケーキを食べた。
そう、ホワイトデーであった。
たまたまこの日の午後、用事があって1人で札幌市中心街に来た。妻に、なんらかの糖分を買って帰らねば家庭内に暗雲がたれこめること確実である。
札幌・地下鉄大通駅の手前にある百貨店、丸井今井の地下に立ち寄った。
とたんに、赤だの黄だの銀だの、見慣れない色が視界に飛び込んでくる。チョコレート菓子の試食を呼びかける女性販売員の声が響き、大学生風から高齢者まで、そこかしこで男たちが包装箱を抱えているではないか。
もちろん東北関東の大震災で祝い事を自粛するムードはあるが、札幌は直接の影響は少ない。やはり商戦の熱気はあった。
和・洋の菓子が並ぶフロアを歩きながら、すぐに自分の出遅れを悟った。どのコーナーを攻めるのか考えていなかったのだ。作戦なしに戦場に飛び込んでしまったのだ。
クッキーか、チョコか、クリーム系か。変化球で和菓子という選択肢もあろう。獲物を決めずに狩りに来たようなものだ。
ふと左側を見ると、青とも緑ともつかない外装ビニールに包まれた、4センチ四方ぐらいのクッキーが並んでいる。クッキーの中にはチョコレートが薄く挟まれている。いいかもしれない。
だが、外装に記されたマークに見覚えがある。「白い恋人」だった。家庭不和の原因になりかねない。
眉間にしわを寄せながら人混みをかき分け、フロアをぐるぐる偵察して1分ほどたったとき、陳列用冷蔵ケース内に可愛らしい猫のデコレーションケーキを発見した。猫である。にらみつけたが反応がない。
ケーキの猫の横にはこれまた漫画チックなネズミ型ケーキだとか、城っぽいのとか、まあメルヘンチックな空間がそこにあった。猫型は残り1個だけなのに対し、ほかは何個も並んでいる、どうやら猫は人気商品らしい。
賑わいの中、冷蔵ケースの前を3歩進んで3歩下がる感じで、相変わらず視線を合わせようとしないケーキの猫を威嚇しながら、考えた。そして決心した。
猫とネズミと1個ずつ買おう。「トムとジェリー」的なノリでいいんじゃないの?
胸の高鳴りを抑え、ついに左足を踏み込み、ケースの後ろに立つ女性販売員との距離を一気に詰めんとする自分。
ふいに、右斜め後ろにいた中年女性が「すみません」と声をかけてきた。こんなときに何だろう。
なぜだか、カウンター越しに女性販売員が「はーい」と返事をするのである。その返事に合わせて、中年女性が「その猫のケーキ1つください」と言った。販売員が「はい、猫のを1つですねえ」と返した。スムーズなやりとりであった。
振り返ると、中年女性はにっこりしていた。ただ、その笑顔はこちらではなく、まっすぐ猫に向けられていた。
踏み込んでいた左足を何事もなかったかのように戻し、数秒立ちつくした。このメルヘンワールドの中で、圧倒的に猫の存在感が際だっていたのだ。ネズミ2匹で妥協するか。ネズミと城では意味がわからない。
しかし人生には、考えていても始まらないこともある。まず人に聞き、情報収集してから考える方が有効なこともある。
猫をケース裏側から取り出そうとしている販売員を横目に、赤いメガネをかけた別の女性販売員に思い切って聞いてみた。
「猫、もういなくなっちゃった? 奥にいたりしません?」
きょとんとした赤メガネは冷蔵ケースに視線を移して、瞬間的に苦々しそうな表情を浮かべてから笑顔に戻り、
「見て参りますので~」
と下がっていった。
右横では、あの猫が着々と箱に詰められていく。中年女性は財布を握りしめ、ワクワク顔で待っている。
すぐに赤メガネが戻ってきて言った。
「ご用意ございますぅ。何個にしましょうか」
聞いたかいがあったというものだ。
「1匹。ネズミも1匹ね」
帰宅し、夜、妻に2つのケーキを見せた。
もちろん店での話はしていない。好きな方を食べてくれと言ったら、妻は「かわいいー」と言ってネズミのケーキを食べた。
2011/03/13
[Землетрясение] У меня всё нормально.地震:札幌は大丈夫
В Саппоро безопасно. У меня всё нормально.
Всем, СПАСИБО за добрые твиты, дм. непременно Япония преодлеет.
東日本大震災(平成23年東北地方太平洋沖地震)が11日14時46分に発生しました。
札幌市内は震度3と、それほど大きな揺れではありませんでした。僕は自宅マンションでPC作業中でした。揺れが何分も続くことに驚いて15時前にテレビをつけたものの、そのときはまだ津波の観測もなく、家屋倒壊の情報もほとんど入っておらず、あまり深刻に受け止めないままPCに戻りました。
夕方再びテレビをつけて津波の映像に驚愕し、事態を認識した次第です。
北海道では根室や函館など沿岸部で被害が出ていますが、海に面していない札幌は浸水等の心配は当面なく、その後の余震もほぼ感じることなく、平穏です。
被害甚大な岩手・宮城・福島・茨城の沿岸部に直接の知り合いはいませんが、心配をしております。被災者の方々には心からお見舞い申し上げます。
2011/03/05
サイトデザインに凝らない理由
またまた「日露ビジネスジャーナル」ネタです。恐縮です。
サイト準備段階から何人かに言われたのが、「見た目がシンプルすぎる。もっと写真や色を使ってビジュアルにした方がよい。ロゴマークも決めた方がよい」という意見だ。
ごもっともである。だが、僕は今の時点でデザインに凝るつもりはない。見る人の好みで評価が大きく分かれるので、神経使い始めるとキリがないからだ。
極論だが、どんなふうにしても誰かが「こりゃセンスないね」と批判する。そして、「○○に写真を入れた方がいいよ」「××をこの色にすべき」などと、てんでバラバラな"親切なアドバイス"をくれるのである。
僕は、超シンプルで文字主体なのも立派な1つのデザインだと考えている。
詳しい人が見ればすぐわかるが、日露ビジネスジャーナルは、ネット業界で非常に普及している「WordPress」というソフトで制作している。ページのデザインは何百(何千?何万?知らないが)種類とあって、ひな型から選べるのだ。凝ったデザインのひな型も膨大にあり、相当数を試して検討したが、最終的には超シンプルなものを選んだ。
「このサイトはテキストで勝負します」というメッセージのつもりである。限られた時間、デザインを研究するヒマがあったら、取材と調査と執筆に力を入れたい。
ただ、断っておくとデザイン面で1点だけ、1-2週間のうちに変更する予定がある。
「日露ビジネスジャーナル」という題字を、背景写真入りの画像にする。実験の実験で以前につくった「ロシアビジネスナビ」の雰囲気に近いものにしようと思っている。
あと、考えてるのがロゴマークだ。どうしようかなあ。
記事更新お知らせ用のTwitterアカウントには、Windows付属の簡易お絵かきソフトでつくった即席のロゴを使っている。どんだけ手抜きか一度見てみてほしい。→ http://twitter.com/nichiro_bj/
ロゴというものは、本気で採用するならそうそう変更すべきじゃないので、つくるならちゃんとしたデザインを発注して、しっかり選びたい。だが、まだ実験段階である今そこまでやる必要があるのかどうかが判断しかねる。
ネット好きの人は、しょせん他人事だから面白がって「できることは早くやっておくべき。さあ次はロゴだね」と言うが、来年、どんな形で本稼働できるのかまだ見えておらず、今後コンセプト変更だってあるかもしれないし、そこまでやる意味あるかなあ。まあ思いついてひょいとつくっちゃう可能性もあるけど。
ところで、インターネットに詳しい(と自分で思っている)人の中に、ネットに関してはとにもかくにも何かアドバイスをしてあげることが親切だと信じている人が時折いる。で、僕にもアドバイスしてくれようとする人も時々いる。そのこと自体は嬉しいことだ。
ただ、できれば知っておいてもらいたいのだが、僕自身、ネットについては一般人の中では結構詳しいのである。
まだWebブラウザーが「モザイク」だったころ、いわゆるポータルサイトがNTTのページだったころから、ネットの発達を見続けてるのだ。昔の話だが第2種情報処理技術者という資格も取っている。
アラフォーの元新聞記者なんてネットのこと何にも知らないんだろう、という前提でいろいろ教えてくれようとする人がたまにいて、はっきり言って知ってることばかり聞かされて、正直うんざりすることもある。
「そうなんですかー、お詳しいんですねー」などと話を合わせながら心の中で舌を出している、僕が悪いのかもしれないけど。
サイト準備段階から何人かに言われたのが、「見た目がシンプルすぎる。もっと写真や色を使ってビジュアルにした方がよい。ロゴマークも決めた方がよい」という意見だ。
ごもっともである。だが、僕は今の時点でデザインに凝るつもりはない。見る人の好みで評価が大きく分かれるので、神経使い始めるとキリがないからだ。
極論だが、どんなふうにしても誰かが「こりゃセンスないね」と批判する。そして、「○○に写真を入れた方がいいよ」「××をこの色にすべき」などと、てんでバラバラな"親切なアドバイス"をくれるのである。
僕は、超シンプルで文字主体なのも立派な1つのデザインだと考えている。
詳しい人が見ればすぐわかるが、日露ビジネスジャーナルは、ネット業界で非常に普及している「WordPress」というソフトで制作している。ページのデザインは何百(何千?何万?知らないが)種類とあって、ひな型から選べるのだ。凝ったデザインのひな型も膨大にあり、相当数を試して検討したが、最終的には超シンプルなものを選んだ。
「このサイトはテキストで勝負します」というメッセージのつもりである。限られた時間、デザインを研究するヒマがあったら、取材と調査と執筆に力を入れたい。
ただ、断っておくとデザイン面で1点だけ、1-2週間のうちに変更する予定がある。
「日露ビジネスジャーナル」という題字を、背景写真入りの画像にする。実験の実験で以前につくった「ロシアビジネスナビ」の雰囲気に近いものにしようと思っている。
あと、考えてるのがロゴマークだ。どうしようかなあ。
記事更新お知らせ用のTwitterアカウントには、Windows付属の簡易お絵かきソフトでつくった即席のロゴを使っている。どんだけ手抜きか一度見てみてほしい。→ http://twitter.com/nichiro_bj/
ロゴというものは、本気で採用するならそうそう変更すべきじゃないので、つくるならちゃんとしたデザインを発注して、しっかり選びたい。だが、まだ実験段階である今そこまでやる必要があるのかどうかが判断しかねる。
ネット好きの人は、しょせん他人事だから面白がって「できることは早くやっておくべき。さあ次はロゴだね」と言うが、来年、どんな形で本稼働できるのかまだ見えておらず、今後コンセプト変更だってあるかもしれないし、そこまでやる意味あるかなあ。まあ思いついてひょいとつくっちゃう可能性もあるけど。
ところで、インターネットに詳しい(と自分で思っている)人の中に、ネットに関してはとにもかくにも何かアドバイスをしてあげることが親切だと信じている人が時折いる。で、僕にもアドバイスしてくれようとする人も時々いる。そのこと自体は嬉しいことだ。
ただ、できれば知っておいてもらいたいのだが、僕自身、ネットについては一般人の中では結構詳しいのである。
まだWebブラウザーが「モザイク」だったころ、いわゆるポータルサイトがNTTのページだったころから、ネットの発達を見続けてるのだ。昔の話だが第2種情報処理技術者という資格も取っている。
アラフォーの元新聞記者なんてネットのこと何にも知らないんだろう、という前提でいろいろ教えてくれようとする人がたまにいて、はっきり言って知ってることばかり聞かされて、正直うんざりすることもある。
「そうなんですかー、お詳しいんですねー」などと話を合わせながら心の中で舌を出している、僕が悪いのかもしれないけど。
2011/03/01
祝いの言葉をいただきました
先週末に情報ブログ「日露ビジネスジャーナル」を始め、一部の人に知らせたら、何人かから「サイト開設おめでとう」というメールやつぶやきをいただいた。
ありがたいことである。突然会社辞めて北海道に引っ越してあいつ今ごろ何やってんだかと思っていた人には、それなりに活動していることの証明になったかもしれない。
しかし、正直なところを書いておきたい。
おめでとうと言われて、僕は戸惑った。びっくりした。そんな反応を想像していなかったのである。「あれ、これ実はめでたいことだったの?」という感じだ。
考えてみれば、自分が逆の立場だったら迷わず「おめでとう」と言うだろう。仮に脱サラした知人がラーメン屋を始めたら「開店おめでとう」と、そりゃそう思うし、実際そう言うさ。かつて小売業の取材を担当する新聞記者だったとき、新店オープンの取材に行ったら経営者や店長つかまえて必ず「おめでとうございます」と言っていた。
しかし今の自分に、めでたいとか、何かを達成してうれしいという感覚はない。今やっていることにはたくさんの面白い出会いがあって楽しくて仕方がないのだけど、はっきり言ってしまえば、サイトを立ち上げるまでなら僕じゃなくても誰でもできる。ネットサービスというのはそれぐらい新規参入が簡単で、大変なのは質を落とさずに続けることの方なのだ。
ここまでは全然大変じゃない。ただ楽しいだけだった。
レンタルサーバーや独自アドレスの管理費用などせいぜい年間数千円。本当にありがたいことにノーギャラで原稿を寄せてくださる方々もいる。僕自身が北海道外にも積極的に取材に行こうとしているので交通費が一番かかっていて、たぶんすでに10万円は使ってるが、20万円には届いていない。その程度なのだ。たとえば開業資金20万円でラーメン屋が出せるか? ありえない。
大事なのはサイトを開設することじゃなく、発信し続けること。続けることを通して情報が集まる仕組みをつくり、その結果、いろいろな人の役に立つサイトになることだ。それが1つのゴールだと思っている。
いやいやいやいや、もちろんうれしいんですよ、「おめでとう」と言ってもらえるの。お祝い大募集。あれ?
ありがたいことである。突然会社辞めて北海道に引っ越してあいつ今ごろ何やってんだかと思っていた人には、それなりに活動していることの証明になったかもしれない。
しかし、正直なところを書いておきたい。
おめでとうと言われて、僕は戸惑った。びっくりした。そんな反応を想像していなかったのである。「あれ、これ実はめでたいことだったの?」という感じだ。
考えてみれば、自分が逆の立場だったら迷わず「おめでとう」と言うだろう。仮に脱サラした知人がラーメン屋を始めたら「開店おめでとう」と、そりゃそう思うし、実際そう言うさ。かつて小売業の取材を担当する新聞記者だったとき、新店オープンの取材に行ったら経営者や店長つかまえて必ず「おめでとうございます」と言っていた。
しかし今の自分に、めでたいとか、何かを達成してうれしいという感覚はない。今やっていることにはたくさんの面白い出会いがあって楽しくて仕方がないのだけど、はっきり言ってしまえば、サイトを立ち上げるまでなら僕じゃなくても誰でもできる。ネットサービスというのはそれぐらい新規参入が簡単で、大変なのは質を落とさずに続けることの方なのだ。
ここまでは全然大変じゃない。ただ楽しいだけだった。
レンタルサーバーや独自アドレスの管理費用などせいぜい年間数千円。本当にありがたいことにノーギャラで原稿を寄せてくださる方々もいる。僕自身が北海道外にも積極的に取材に行こうとしているので交通費が一番かかっていて、たぶんすでに10万円は使ってるが、20万円には届いていない。その程度なのだ。たとえば開業資金20万円でラーメン屋が出せるか? ありえない。
大事なのはサイトを開設することじゃなく、発信し続けること。続けることを通して情報が集まる仕組みをつくり、その結果、いろいろな人の役に立つサイトになることだ。それが1つのゴールだと思っている。
いやいやいやいや、もちろんうれしいんですよ、「おめでとう」と言ってもらえるの。お祝い大募集。あれ?
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